FP的営業手法で差別化する!そのⅠ:「すまい給付金」で検証。
住宅営業現場で、『FP的営業手法』を駆使する事は珍しくなくなりました。
そこで使うツールも、エクセル等の手作りツールもあれば、高価なものから廉価なものまであります。
知識とツールを駆使し、何とかお客様の信頼を得ようと頑張ります。
そんな中で、最近は『差別化が出来なくなった』と嘆く声も聞こえてきます。
営業マン:
「資金計画について、何か気になる事があれば何でもご相談下さい」
「例えば・・借入可能額や返済額計算なども試算出来ますので、ご遠慮なくお申し付け下さい!」
お客さま:
「それは、他社でもう相談に乗って貰ったんで、だいたい予算も把握してるから大丈夫!」
営業マン:
「あ・・・そうですか・・・」(-_-;)
お客様
「で、・・おたくの家は、どれ位するの?」
というようなやり取りに翻弄されている営業担当者が増えているようです。
「だから、最近はお金の話で差別化は、出来なくなってきました!」と、ある営業責任者が嘆いていました。
本当にそうでしょうか?
私には、まだまだお客さまも情報不足であり、住宅営業マンも情報提供に、手抜きや手落ちがあると感じています。
お客様もご自でネットで勉強したり、各社を回る中で当然、知識や情報も増えていきます。
そこに向けて、通り一遍の話で「信頼感」を得る事はさすがに困難なのでは。
では、どうすれば・・・
例えば、「すまい給付金」ひとつ取っても、お客さまに解りやすく丁寧に、尚且つ具体的に説明が出来ている営業担当者にお目に掛かる事は珍しい事です。
下記は、弊社のユーザー様へ「アクティ通信」で私が発信した情ですが
お客様の信頼を得る為の情報として、掘り下げてみましょう!
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■「すまい給付金」「住宅ローン減税」の説明は丁寧に!
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来年の消費税増税を前に、意外に静かな営業最前線のように感じます。
前回、5%から8%への増税時には、
3%の価格負担増は大変だ~!と駈込みを煽る風潮が激しく、
お客さまは冷静な判断が出来ない状況でした。
当時、増税による価格増加分は、
「すまい給付金の新設」+「住宅ローン減税制度の改定」によって
吸収できる制度を政府は準備したのですが、詳細発表が遅くなってしまい
正しく説明出来る人の声も届きにくくなっていました。
届きにくくなったというより・・
大きな影響力を持つ企業がわざと届けなかった、という言い方が正しいかもしれません。
今回はどうでしょうか?
すまい給付金については、年収の多い人も対象になります。
給付金額は50万円~10万円となり、対象になる年収層も給付金額も幅広くなりました。
しかし、住宅ローン減税自体の改定はありません。
2%の穴埋めは、「すまい給付金」で埋めることとなります。
総合的には、増税分の2%相当の金額はかなり穴埋めはできるが・・・
チョット足りない! という感じでしょうか。
それでも、正しく、解りやすく説明する事が『差別化』でもあります。
「すまい給付金」と「住宅ローン減税」は、
国交省のHPでシミュレーション出来ますし、国交省が準備した資料を活用して
概要を説明する人が沢山います。
しかし、これを利用する場合は・・・
誤差が大きいので、その誤差をしっかりと理解した上で利用して下さい!
例えば、国交省の資料では、扶養家族=1人のモデルで計算しています。
<年収の目安>
425万円以下 給付額=30万円
425万円超~475万円以下 給付額=20万円
475万円超~510万円以下 給付額=10万円
と表記されていますが・・
同一扶養モデルで、もう少し所得税計算の精度を上げて計算すると・・・
<年収の目安>
462万円以下 給付額=30万円
462万円超~519万円以下 給付額=20万円
519万円超~556万円以下 給付額=10万円
簡易シミュレーションであっても、扶養家族1人ならこの位が現実的な数字です。
この点は、以前のアクティ通信でお伝えしましたが
国交省の所得税計算の根拠が、現実よりかなり乖離している事が原因です。
消費税10%になった場合の資料は、
誤差がもっと大きくなりますので、より明確に内容を理解し、解りやすくお客様に説明すべきと思います。
こういう事が「差別化」であり、お客さまの信頼を得る情報提供です。
次回、消費税10%になった場合を掘り下げます。